月の詩
十七歳隔離区域
プロローグ
HAPPY BIRTHDAY!

そう祝いの言葉を述べながらその軍人は卑しい笑みを浮かべた。
この国では十七歳になる誕生月から十八歳の誕生日を迎えるまでの一年間、「更正隔離区域」で過ごさなくてはならない。

そこは十七歳の人間しかおらず、一年間共同生活をすることによって社会的協調性や団結力を身につけるということが目的だそうだ。
「隔離区域」は以前この国の首都と呼ばれていた東京にある。建造物などはそのまま残されており、居住地は自由に決めてよい。ただし、隔離区域と言うだけあって、簡単には外に出ることは出来ない。東京23区はその他と完全なる隔絶をするため、50mはあるであろう鉄筋とコンクリートで出来た壁に囲まれている。物資は定期的に空から投下される。隔離区域では外界の情報はその一切を遮断されている。
とまぁ、大まかな概要はそんな感じだ。

15〜16歳の少年少女の中では「そこ」はうるさい親も邪魔くさい教師も暇くさい授業もない楽園だと語られていた。

HAPPY BIRTHDAY!

そして、今日俺はめでたく隔離区域の居住者となるわけだ。